航空機と健康リスク
高度約 1 万メートルで飛行している機内では、気圧を調節する装置(与圧装置)とエアコンにより地上に近い環境を人工的に作り出していますが、地上とまったく同じ環境ではありません。
- 機内気圧は約 0.8 気圧程度で、空気中の酸素も地上の約 80% になります。
- 耳や胃腸のガスは地上に比べて 20% ~ 30% 膨張します。
- 機内湿度は 20% 以下となります。
- 振動は離着陸時や気流の不安定な場所を通過した時に起こります。
- 長距離便では長時間座ったままの姿勢となります。
■ 機内でのアドバイス
- 肌の露出の少ない、ゆったりとした服装で搭乗しましょう。
- 食事は少量、炭酸飲料やアルコールは控えめにしましょう。
- 適度に水分を補給しましょう。塩分が少量入ったスポーツ飲料が脱水予防に効果的です。
- 常用薬は必ず機内に持参し服薬時間を守りましょう。
- コンタクトレンズはつけず、眼鏡を着用しましょう。
- 耳が詰まった感じがしたり、痛くなったら、鼻をつまんで唾を飲み込んだり、水を飲んだりしましょう。
- 乗り物酔い予防薬は、搭乗前に内服しましょう。
■ 旅行者血栓症/エコノミークラス症候群
航空機搭乗中に起こる下肢の血栓症です。この血栓が肺の動脈につまると、重篤な症状を起こします。予防のためには、水分を多めにとり、定期的に足を動かすようにしましょう。
■ 子どもが突然泣いたら
飛行機が降下中に子どもが泣くことがありますが、その原因の多くは耳が痛いためです。泣きやまない場合は、水やジュースなどの飲み物を飲ませてみてください。